共感覚者A

  • 空間的配列共感覚の保持者

空間的配列共感覚とは (spatial sequence synesthesia, 以下SSS)

  • 抽象的な系列が現実世界の対象物の様に物理的な2次元あるいは3次元構造を伴って自動的に思い浮かぶ状態(Eagleman, 2009)

SSS保持者の一般的傾向

  • 数、暦の月、曜日、アルファベット等の並びが浮かぶ。
  • 順序系列概念について思考するときや見聞きするときに空間的配列が自動的に誘発される。
  • 空間的配列の形状は基本的に個人内で一貫しているが、個人間では多様である。
  • 視点を変えながら空間的配列を捉える。
  • 空間的配列には色や明るさの変化を伴うことがある。
  • SSS 保持者は他者も空間的配列を持っていると思っていることが多い。
  • SSS保持者は空間的配列に基づいて順序系列概念を捉えている。
  • SSS保持者の分類
    • プロジェクター:空間的配置を身体の外部空間において知覚する。
    • アソシエイター:心的空間において知覚する。

特殊なSSS保持者の例

  • 共感覚者DG(アソシエイター)
    • 58 種類もの 異なる空間的配列を保持している(Hubbard et al., 2009)。
  • 共感覚者L(プロジェクター)
    • 視覚的に誘発刺激をとらえた時と、聴覚的にあるいは思考した時では空間的配列を捉える視点が逆になる(Jarick et al., 2009)。

共感覚者Aに対する半構造化インタヴュー

  • 2回実施した(1回目は2011年11月、2回目は2013年7月)。

共感覚者Aが保持する配列のリスト

時間に関する配列

  • 年齢
  • 曜日
  • 日にち
  • 年号
  • 時間(かなり複雑で二次元で表現しにくい)

その他

  • 温度
  • 体重
  • 身長
  • 足のサイズ
  • 秒(学生の頃の50m走のタイムを計るときによく感じていた)
  • お金
  • 重さ(g)
  • 点数
  • アルファベット
  • 五十音

年齢

1回目
2回目

1回目
2回目

曜日

2回目のみ
  • 帯状になる(月も同様)
  • 3次元的だが、まだ2次元的で書きやすい(月も同様)
  • 「今」の視点によるところが大きい(年齢、月と同様)。
  • 木曜日は存在感がない

参加者AのSSSの特徴

  • 年齢や月や身長・体重など、それぞれに応じた図が思い浮かぶ。
  • 順序系列概念について語を見聞きし,あるいは思考することで配列を感じる。
  • 空間的配列は自分の頭の中の上の方に浮かぶ感覚
  • 空間的配列には濃淡(白黒)がある。ただし季節を感じながら月を思い浮かべると色も出てくる。
  • 数・文字のサイズは同じだけど、これらの場所の幅が異なる。
  • 空間的配列に対する視点
    • 全体像を捉える視点,
    • 「今」の時間軸から捉える視点,
    • 焦点を当てた部分を捉える視点
  • アソシエイター:心的空間において空間的配列を知覚している。

誘因刺激について

  • 漢数字ではあまり空間的配列が浮かばない。
  • アラビア数字でも単体だと空間的配列はあまり思い浮かばない。
  • テストで数式を見ても思い浮かばない。
  • 文章問題では思い浮かぶ。
  • 語を見聞きする以外にも考えることによっても空間的配列が思い浮かぶ。
  • 他人についての年齢を考えるときも自身の空間的配列で捉える。
  • 単なる数字だけ「5」とかなら年齢の「5」が浮かぶ。three apple とかなら何も感じない。

励起感覚について

  • 空間的配列は頭の中にあり目を閉じた方が感じやすい。
  • 年齢と曜日は「今」の時間軸からとられることが多い。
  • 質問の内容によって視点が変わる。
  • 構成要素が占める空間の幅はそれぞれ異なる。
  • 配列内に濃淡があるが特別な意味はない。
  • 構成要素の文字にフォントや表記は変えられるがそれはイメージである。

参加者A様には長期にわたって継続的に調査にご協力頂きました。
記して感謝の意を表します。

2021-09-06|
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